うそ日記 | 絶叫機械-残酷物語

うそ日記

とかいう企画の話

みんなにお知らせがある。
実はぼくはもう、みんなの知っているぼくではない。
あるときはプロレスラーになったり、またあるときはゆうこりん(小倉優子)の彼?になったりする、ふしぎなそんざいになったのだ。
プロレスラーというのは職業で、ゆうこりん(小倉優子)というのは何だかわからないが、その彼なのだからゆうこりん(小倉優子)は彼の性奴隷であり、性奴隷を飼うのだからゆうこりん(小倉優子)の彼?というのはゆうこりん(小倉優子)を性奴隷にしている?かも?といった不確定要素の強いそんざいだ。
 もうわかっただろう。
 そう。ぼくは、ブログ上で綴られる、うその人間、つまりうそ人間なのだ。
 ぼくの書くうその日記は、可笑しくも微笑ましく、新鮮な感動をきみたちに与えただろう、そうに違いない、そうあれかしと願う。
 そんなぼくの日記(もちろんうそだが)に衝撃を受けた連中が、企画ブログを立ち上げて、ぼくの「うそ日記」を募集している。
 彼らにとっておもしろい作品は書籍化されるらしい。
 「うそ日記」の応募条件は、こうだ。

■自作自演(オリジナル)の作品であること
 これは問題ないだろう、なぜなら"うそ"というものに模倣は存在しないからだ。
 低脳なきみたちのために説明してあげよう。うそというのは真実ではないということだ。だが、完全な虚構、つまり参照元を必要としない完全な独創というのは、うそとして通用しない。つまり、模倣の元になる共有知識(プロレスラーという職業であったりゆうこりんという生物やそれに対する性的欲求等)を参照しなければ、それがうそか本当であるかはわからない。
 真実ではないという一点を明確にすることによって、あらゆる模倣作品に対する「それはオリジナルではない」という批判は無効化する。
 もちろん主催者側が「うそ日記」というアイディアがオリジナルではないということ(つまりこの企画そのものがうそであるというテーゼ!)を理解しているのは当然なので、ぼくの得意なコピペやパロディやオマージュなどが自作自演(オリジナル)として評価されないわけがないのである。

■誹謗中傷作品ではないこと
 これも簡単だ。誹謗中傷というのを辞書で調べれば「根拠のない悪口をいい、他人の名誉を傷つけること」とある。ぼくは根拠なしにひとの悪口を言ったことがないし、他人の名誉を傷つけることもない。ぼくが傷つけ貶める可能性があるとすれば、それは自らの間違いに気づかぬ間抜けであり、名誉を欲せぬ卑しい俗物であり、悪口の根拠など山のように出てくるであろうことが予想できる愚かな連中だからだ。

■ブログでの掲載、書籍化にOKしてもらえること
 この点に関しても何ら瑕疵を感じぬ。応募する人間に対して「載せていいか」と再確認するのは慎重に過ぎるきらいがあるが、立派な募集要項であり、高尚な精神の持ち主が書いたのであろうことが伺える名文である。

■日本語、またはロシア語(←うそ)で書かれたものであること
 これは"ロシア語"と書きながら、共産主義的な主張に対する恐怖と畏れを表現しているのであろう。まさか冗談でこのような文章は書くまい。なにしろ面白くない冗談を書く者が「おもしろい作品は書籍化します」などと高邁な態度をとれるわけがないからだ。

 というわけで、ぼくもうそ日記に応募することにした。
 うそ日記の中でなら、どんな夢だって実現できるし、どんな願い事もかなうんだそうだ。
 ぼくも、ブログを通じてたくさん方(原文ママ)に「うそ日記」を楽しんでほしいな。
 ありえないことを想像して幸せになったり(例:全身に巨大なペニスが生えたゆうこりん(小倉優子)が精液を撒き散らしながら空に浮かび上がらないかなぁ)、突拍子もない「うそ」に大爆笑したり(例:えっ!?小泉総理がジャニーズJrをとっかえひっかえご寵愛?!)、ちょっぴり感動したり(「浮浪者が『さみしいことがあるのかい、君は笑顔の方がステキだよ』って声をかけてくれたんですよ、と語るグラビアアイドル)(事実)……さあみなさんもレッツ妄想!